こんにちは、ゆるカピです。
今日は『「無理」の構造ーこの世の理不尽さを可視化する』という本をご紹介します。
今回はタイトルから想像されるとおり、ちょっと難しめの内容になります。
「この世の理不尽さ」というキーワードから、今のコロナウイルス蔓延による経済の停滞が思い浮かんで、なにか役に立つヒントが書いていないかなと思って読んでみました。
案の定、テーマは難しめだったけど、具体例も多くて、読んでいくうちにこんな話かなって頭の中が整理できたから、今回記事にしてみたよ。
著者はこんな人
著者の細谷功さんの簡単なプロフィールはこちら。
- ビジネスコンサルタント
神奈川県鎌倉市出身、東京大学工学部卒
株式会社東芝にて約8年間原子力技術者を経験
アーンストアンドヤング、キャップジェミニアーンストアンドヤング、キャップジェミニ、ザカティーコンサルティングに所属
現在、(株)クニエ(前身はアーンストアンドヤング)にて業務に従事
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より出典、一部編集)
現在は、東洋経済の記事執筆やオンライン学習サービスSchoo(スクー)の講師を務めるなど、多岐にわたる活動をされています。
記事の閲覧は無料なので興味がある人はこちらもどうぞ。
また、ツイッターでも発信されているようなので気になる人はこちらもチェックしてみてください。
こんな内容
著者の主張は以下のとおり。
- 世の中には理不尽なことがあふれている
- 理不尽に感じる原因(勘違い)を可視化したい
- 理不尽が可視化されれば無駄な抵抗や努力はなくなるはず
内容はまとめるとこうなるのですが、タイトルやベースになる内容が抽象的なので、一読ではわかりづらいかもしれません。
これについては、私なりの見解を後ほど解説します。
ターゲットになる読者層
最初は読者層は、理不尽さに苦しんでいる人と思っていましたが、実際に読んでみてからは、どちらかというと理不尽さの原因を知りたい人向けのほうがしっくりきました。
著者は理不尽さの原因についての考え方を示しているだけなので、この本には具体的な解決策は載っていません。
あるいは、理不尽さの原因を知って行動に移していれば自ずと解決してますよ、というスタンスなのかもしれません。
いずれにしても、読者層は理不尽さに苦しんでいて、その原因だけでも知りたい人向けなのかなという印象を受けました。
悩んでて、周りに文句とか愚痴を言っている人は対象じゃないのかも•••。
この本で伝えたいことはなにか
この本は第Ⅰ部から第Ⅴ部までの構成になっていて、前半に基本的非対称性、後半にその発展系の時間的非対称性、空間的非対称性を定義してまとめています。
リストにしてまとめるとこんな感じ。1つめの基本的非対称性はさらに、物理的非対称性、知的非対称性、心理的非対称性に分けられるそうです。
- 基本的非対称性(物理的、知的、心理的非対称性)
- 時間的非対称性
- 空間的非対称性
それでは、それぞれどんな話なのかというと、
基本的非対称性
例えば、本文ではお金の上下関係について触れられています。
あなたはほしい商品を買う時、店員さんにお金を渡します。この時、あなたと店員さんの関係は対等ではありません。お店のバイトを経験している人ならわかると思いますが、商品の売買は一般的に買い手優位な関係になっています。
最近では、いわゆるカスハラ(カスタマーハラスメント)が話題になりましたが、行き過ぎた買い手優位な関係に理不尽さがあるということです。
時間的非対称性
こちらは、社会や会社組織の成熟化や年功序列の制度など、時間によって対等性が失われるものが挙げられています。
会社組織の成熟化の例でいうと、企業のコンプライアンス違反がたびたび報道されていますが、調べてみると、務める社員が仕事に対して理不尽な要求をされたことが原因のケースが少なくありません。
著者がかつて務めていた東芝もたびたび不正会計をして問題視されています。
時間の経過とともに組織が形骸化していくのは世の常だということでしょう。
空間的非対称性
自分と他人の比較や、見ているものの違いについての話です。
自分が考えていること、見聞きしていることは自分にしかわかりません。基本的非対称性のなかの知的非対称性と関連して、知識や経験、習慣などからくる偏見やいじめなどはその最たる理由でしょう。
わかりづらくしている要因
著者は理不尽さを原理・原則から説明しているため、結果抽象性が高い内容になっています。もちろんそういう意図で書かれているのですが。
その分、具体例はたくさん書いてあるので読んでいて完全に詰まるというのは基本的にありません。
ただし、元のテーマが抽象的なのと、この本がそれまで出版した本の総集編なのもあって、読み終わった後わかったようなわからないようなモヤモヤ感が残りました。
読んだ後に自分の場合はどんなところが当てはまりそうかなと、具体例を思い起こしながら深読みしていく必要があります。
理不尽の原因おさらい
この本のテーマになっていた理不尽さの原因について、もう一度おさらいしましょう。
理不尽の原因は、勘違い、思い込み、錯覚と呼ばれるものです。
著者は、「理不尽なのは〈世の中〉ではなく、私たちの〈頭の中〉である。」と主張しています。
じゃあ、思い込んでいる自分が悪くて、相手や社会は悪くないってこと?
こんな疑問が湧いてくる人もいると思います。
結論は、どっちも悪い、と私は解釈しています。さらに言えば、原因は自分にもあると捉えて、前向きにものごとを考えられるようになったほうがいいでしょう。
人は自分を中心にしてしか、ものごとを考えることはできません。
そう、私も、あなたも自己中なのです。
だから、こんな勘違いはさっさと捨て去って、自分の頭で考えて行動すればいいんです。
自分の頭で考えれば前に進めます。比べるべきなのは、過去の自分であり、未来の自分なのです。
まとめ
今回の本を読んで、あなたに送りたい言葉はこちら。
- 理不尽さの原因を知って前向きになろう
- 新しいことに挑戦しよう
- ゆるく生きよう
理不尽さの原因を知ると、原因は自分にもあると解釈できます。そうすると、自分の頭でものごとを考えられるようになり、前向きな気持ちになれます。
前向きになると、新しいことにも挑戦しようという気持ちになるはずです。今は外出自粛要請が出ているので、自宅で新しく趣味を始めてみたり、ちょっとした副業に挑戦するのもいいでしょう。
最後に、ゆるく生きよう、と書きました。
このブログのタイトルにもなっているテーマです。
今は人生100年時代といわれています。自分はそんなに生きられない、と思った人もいるでしょう。しかし、今後の医療技術の発展で、今の20〜30代は統計的にはなんと100歳以上まで生きる計算になるそうです。
100年も理不尽な人生を生きる必要はありません。
ゆるく生きましょう。
それではまた。
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