こんにちは、ゆるカピ(@yurucapi_san)です。
あなたはこんなことに悩んでいませんか?
一級建築士の製図試験ってなんだか難しそう...。どんなことに気をつけて勉強したらいいのかわからない。
一級建築士の製図試験って難しいですよね。
受験者の4割が受かるといっても、
- 学科試験を通った人しか受けてない
- 過年度生(製図試験経験者)と同じ条件で受ける
- 製図の即日課題で慣れている人と同じ条件で受ける
という感じなので、非意匠系の人にとっては過酷な試験であることは間違いありません。
私自身、大学3年の研究室配属以降で一度も手描きの図面を描く機会がなかったので、当時は不安しかありませんでした。
今となっては、しんどかったけどいい経験をしたなという思い出になってるね。
試験勉強をする前まではネガティブなイメージしかなかったのですが、蓋を開けてみると案外楽しめたというのが正直な感想です。
私の簡単なプロフィールはこんな感じ。
私自身、ずっと構造設計をやってるので紛れもなく非意匠系です。
なので、今回の記事の内容は、意匠系出身じゃない人には特に参考になるのではないかと思います。
結論から言うと、私が製図試験合格のために気をつけていたことは以下の4つのポイントです。
まとめると、愚直にコツコツ継続すること、です。
小手先のテクニック論は調べればたくさん転がっていますが、結局は上の4つのポイントに気をつけてこなしていけば製図試験は合格できます。
製図試験になかなか受からなくて困ってる...。
こんな人も、基本に立ち返ってきちんとできているか総点検してみましょう。
それでは、早速始めていきます。
製図試験にデザインセンスは求められていない
そもそも、一級建築士の製図試験はデザインセンスを問う試験ではありません。
デザイン性が出てくる立面図やパースが作図に求められていないので、奇をてらったデザインや採点官を驚かせるようなものを考える必要はないのです。
- 課題文の与条件を読み解く
- 合理的なプランを考えてエスキスに落とし込む
- エスキスをもとに機械的に作図する
むしろ、動線計画がごちゃごちゃしていたり、建物の平面形状が歪になっていたりするとそれだけで大きなマイナスになってしまいます。
まずは、愚直に教科書的なプランを目指してみましょう。
デザイン性が求められていないから、非意匠系の人にも勝算があるね。
よく、製図試験はパズルだ、と言われることがあります。ある程度決められた諸室の面積をいじりながら整形な平面プランに落とし込む作業は、まさしくパズルを解く作業に似ています。
個人的には、囲碁や将棋、あるいはプログラミングのほうがしっくりきます。いろんな制約と条件分岐があるなかで最適解を求めていく感じが似ています。囲碁や将棋に強い人は製図試験も得意なのではないでしょうか。
とにかく量をこなす
製図試験に慣れていない人がまずやるべきなのは、とにかく量をこなすことです。
どんどんエスキスと作図の量をこなしていかないと、即日課題などで手描きの製図に慣れている人には到底敵いません。
資格学校に通っているなら、講義はすべて出席、宿題は最低限すべてこなしたうえで、宿題以外に週2〜3枚は図面を描き上げるペースで練習する必要があります。
描く内容は、
- 過去に取り組んだ課題の再エスキス&作図
- 過去に取り組んだ課題の解答例の作図トレース
です。
宿題こなすのもやっとなのに、さらに図面を描くなんて無理だよ〜。
勉強開始の8月からやるのは難しいから、徐々に増やしていって9月あたりに習慣化するのがおすすめだよ。
私の場合、当時は仕事終わりが遅かったので、睡眠時間を削って1日おきにエスキスと作図を交互にこなしていました。
定時で上がれる人は19時スタート22時終わりの3時間コースで取り組むのがおすすめです。
結構厳しめなことを書いていますが、飛ばしすぎると9月中旬くらいで高確率で体調を崩してしまいます。
無理のない範囲で適度に負荷をかけないと伸びないのでこの辺りのバランスは難しいですが、自己管理も兼ねて自分に合ったペースを探ってみてください。
図面に完璧を求めない
最初は誰もが初心者なので、できなくて当たり前です。
私の場合、最初に製図課題を取り組んだ時は、作図だけで1日がかりでやっと終わるという絶望的な遅さからのスタートでした。
練習量をこなしコツさえつかんでしまえば、作図スピードは速くなりますし、エスキスの精度も改善していきます。
なので、徐々にできるようになれば大丈夫です。
本試験でも100%の解答は不可能と考える
徐々にできるようになっても、本試験で100%の解答を描いた図面や計画の要点を仕上げることは不可能と考えたほうがいいです。
そもそも、たった6時間半の試験時間で完璧な解答が出るはずがありません。
受験者も不測のミスを犯してしまったり、ヤマが外れていまひとつな解答しか出せなかったりすることもよくあります。
私自身、本試験の作図途中で一部スパン割を間違えてしまい、慌てて描き直した経験があります。時間にすると20分くらいタイムロスしています。
プランニングも自信が持てるほどのクオリティではありませんでした。
それでも実際受かっています。
完璧を求めすぎず、ある程度のミスは許容したうえで全体的に落ち度がない図面を目指すのがいいと思います。
プロから型を学ぶ
製図試験に関しては、完全独学ではなく誰か信頼できる人から型を学んで実践するのがおすすめです。
- 資格学校に通う(総合資格、日建学院、TACなど)
- オンラインサービスを使って添削してもらう
- 会社で直近に一級建築士になった人に見てもらう
などを通して、必ず第三者に見てもらえる環境を整えておきましょう。
完全独学をおすすめしない理由
完全な独学をおすすめしない理由は大きく2つあります。
- 1人だと挫折しやすい
- 独りよがりになりやすい
1人だと挫折しやすい
想像以上に製図勉強は過酷です。十中八九、1人で勉強していると挫折します。
まず、気持ちに甘えが出てしまって量をこなすというのが難しいです。1人でしんどい思いをしてまで頑張れるほど、人はタフではありません。
経済的に問題なければ、製図試験に関しては資格学校に通うのが無難です。
- 同じ課題を取り組む仲間がいて、つらさが軽減される
- ある程度、尻叩きしてもらえる
- いろんな情報が手に入る
そこそこお値段は高いですが払うだけの価値はあるかな、と思います。
独りよがりになりやすい
自己流は事故流とも言われます。
結局採点するのは人なので、自分がいいと思って取り組んでいても客観的にいまいちな表現をしている、なんてこともあるでしょう。
製図試験のプロから学べることはたくさんあります。一緒に学んでいる仲間からもフィードバックがもらえたりするので、人から学ぶメリットは大きいです。
製図試験勉強は教えてもらったほうが効率的
製図試験勉強は学科の場合と違って、エスキス・作図などのアウトプットが中心になるため、テキストを読むより直接教えてもらったほうがはるかに効率的です。
この違いを理解せずに独学で突っ走ってしまうと、失敗する可能性がグッと上がるので注意が必要です。
最近は、イチケンさんのようにZoomを使ったオンライン添削をしてくれるサービスを提供している人も増えてきました。経済的に余裕がない人はオンラインで教えてもらうのも有効です。
課題を振り返り分析する
実際やっている人は少ないですが、試験対策には必須だと考えています。
せっかく数多くの課題をこなしているのに、それをデータ化して分析しないのは非常にもったいないです。
データが集まってくる9月頃あたりから、勉強ノートにまとめて整理するのがおすすめです。
勉強ノートはエスキス用紙に合わせて、5ミリ方眼のノートがいいでしょう。100均で買えますよ。
どんなことを書けばいい?
勉強ノートにまとめる内容は以下のとおり。
- 課題のテーマ
- 課題の解答例のエスキスプロセス
- 自分のエスキスプロセス
- 解答例と自分のエスキスを比較して分析
課題のテーマは、どんなことに気をつけていればいい問題だったかを箇条書きでまとめればOKです。
例えば、高さ制限が罠になっていたとか、複合用途のゾーニング計画をどうするかが問題になっていたとか、そういうやつです。
自分がどういうプロセスで最終的なエスキス図面に行き着いたかの記録と、改善点を分析するために使います。
書くとどんなメリットがあるの?
勉強ノートにまとめる作業は地味で面倒なところがあります。
ノートにまとめるメリットは、ずばりエスキスの引き出しを増やすこと。これに尽きます。
最初のうちは考えつかなかったエスキスのアイデアがだんだん蓄積されていって本試験で使えるようになります。
ぜひ実践してみて、あなただけの勉強ノートを作ってみましょう。
まとめ
製図試験に受かるためのポイントを4つ紹介しました。
既に製図の勉強を始めていて、ちょっと足りてなかったなという人は、この機会に不足分を補っておきましょう。合格への一歩が近づくはずです。
製図試験勉強はまだこれからという人は、4つのポイントを意識してスケジュールや学習の進め方を考えてみてください。
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それでは、また。
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