こんにちは、ゆるカピ(@yurucapi_san)です。
こんなことに悩んでいませんか?
製図試験、今年カド番なんだよなあ...本当についてないな。
カド番受験というのは、3回の製図試験チャンスのうち3回目の受験に挑戦することです。
毎年試験内容は変わるし、難易度が変わるし、明確な合格基準の答えがないし、
•••となって、結果、製図試験=運ゲーと考えがちです。
周りの合格者を見て、なんでこんな人が受かるの?と疑問に思う人がひょっとしたらいるかもしれません。
でも、実際は違います。
サイコロを振って決めてるわけでもなければ、採点官の好みで決まっているわけでもありません。
実際サイコロで決めてたら、実際の合格者数のばらつき具合にはならないよねえ。
試験元である公益財団法人建築技術教育普及センターのサイトには、合格基準も載っていますし、過去問の標準解答例も掲載されています。
- 合格基準
- 過去問の標準解答例
この2つを意識して勉強して本試験に望めばOK、ということになります。
私自身、一級建築士はストレートで合格していますし、上の2つの内容はサイトを訪問して常に見返して勉強していました。
なので、試験元のサイトを確認していない人は確認しておきましょう。
•••と書くと、
ちゃんとチェックしてるんだけど、全然ダメなんだよね...。
という返事が返ってくるかもしれません。
実際、合格基準は抽象的なことがまとめられていて、課題文から標準解答例そっくりそのままのものを作るのは至難のわざです。
重要なのは、
自分なりに解釈して、使えるものとして身につけること
です。
製図試験が運で決まらないにしても、やっぱり納得いきませんよね。
そんなわけで今回は、試験に受からない原因とその対策方法について深掘りしていきたいと思います。
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受かるのは運と言われる理由
製図試験=運ゲーと言われる理由は、
- 毎年試験の課題テーマが変わる
- 合格基準の判定が抽象的
- 毎年若干の新傾向要素がある
- 計画の要点の解答例がない
あたりにあると考えられます。
学科試験に比べて対策がとりづらいため、運で決まると思ってしまうのかもしれません。
ただ、採点する側の立場で考えてみると、
毎年試験内容を変えていかないと、試験の質が保てない
という課題にぶち当たります。
ここ数年で難化傾向にあるのは事実
平成21年に行われた一級建築士試験の大改定では、複合用途系の難しい問題はやめようという流れがありました。
しかし、実際ここ数年の試験問題を見てみると、どれも複合用途のオンパレードです。
また、平成29年から問題文の量が年々増加傾向にあり、読み取りに時間をとられてエスキス、作図の時間確保に苦労した人も多いと思います。
毎年のようにコロコロ変えられたら、こっちはたまったもんじゃないよ。やっぱり運がいい人しか受かんないんじゃ...。
という感じに、製図試験=運ゲーという思考停止の罠に嵌ってしまいます。
しかし、試験元の出している合格基準を丁寧に読み解いてみると、運で決まっていないことがわかります。
実務寄りなスキルが求められている
例えば令和元年のランクⅣに該当する要件の1つには、「法令の重大な不適合等、その他設計条件を著しく逸脱しているもの」という文言が付け加えられています。
平成30年まではなかったものなので後出しジャンケン感は否めませんが、法令に適合しないものを作らないというのは実務では必須の話です。
また、近年は構造的な要求だけでなく、PS、DSの配置やサイズ感、役割など設備的な要求の比重も高まる傾向にあります。
意匠担当者と設備担当者のコミュニケーションがうまくいってなくて、設計途中でPS、DSが足りない、ってことになるのはわりとよくある問題だよね。
普段から自身の専門領域だけでなく、設計者として、ほかの専門領域についても関心を持っておく、のが合格への近道といえます。
試験になかなか受からない主な原因
試験になかなか受からない原因は主に3つあります。
- 課題をこなす量が足りてない
- 体験が不足している
- 本番に弱い
原因1:課題をこなす量が足りてない
純粋に課題をこなす量が足りていないと、余程製図の才能がない限り間違いなく落ちます。
- 作図・エスキスをこなす絶対量が足りてない
- 試行錯誤が足りてない
大きくは上の2つに集約されると思います。
スパルタな言い方をすると、製図試験をストレートで合格しようと思ったら、仕事・食事・睡眠以外はすべて製図勉強に時間投入する勢いで望まないと受かりません。
なんなら食事と睡眠時間の一部を削ってでもやるくらいの気持ちでいかないといけないレベルです。
2.5ヶ月間必死に勉強して、ようやく受かるか受からないかのボーダーラインで受かるというイメージです。
毎日勉強してるのに受からない...。
というあなたは、試行錯誤が足りていないと考えられます。
- 3時間で作図→2.5時間で作図する方法
- 同じ課題で別の切り口によるエスキス
- 本試験の新傾向の内容の予想&対策方法
普段の課題をこなしながら、上に挙げた内容についても考える時間を作りましょう。
原因2:体験が不足している
無からはなにも生まれないというように、具体的な体験がないと、エスキスを膨らませるアイデアは浮かびません。
机の前で平行定規の上で考えていただけでは、なにも浮かんでこないのは至極当然です。
酷な話をすると、体験がリッチでないとリッチな建物を設計することはできないんですよ。
- 普段からオフィス見学をしている、通勤している
- 子育てをしていて、普段から保育所を利用している
- アート作品が好きで、普段から美術館をよく利用している
- 旅行が好きで、旅館やリゾートホテルによく宿泊している
これらの経験の差はかなり大きいです。
さらに、自分自身がその用途の設計を担当していたら、バック動線や必要な諸室も頭の中にスッと入ってきます。
製図試験に反映できる内容に関して、経験がない人との間で格差が生まれてしまうことは避けられないでしょう。
貧乏人には厳しい現実だね...。
原因3:本番に弱い
結局のところ、受験するあなた自身のメンタリティが一番重要だったりします。
- 当日になって緊張して体調を崩してしまった
- 新傾向の内容があると、頭が真っ白になって手がつかない
こんな経験をしている人は多いと思います。
精神論になってしまいますが、
- なんとしてでも合格をつかみとる
- 周りの人には絶対負けない
受かるための強い気持ちがないと、ほかの人に気持ちで負けてしまいます。
本試験の6.5時間は本当に過酷です。
私自身、試験本番でのミス連発で一瞬頭が真っ白になって手がつかない事態に陥っています。
幸い普段からメンタルトレーニングを心がけていたのでなんとか乗り切ることができましたが、受かるための強い気持ちがないと簡単に心が折れてしまいます。
日々の課題勉強も大事ですが、本番への事前準備としてメンタルトレーニングも同時にやっておきましょう。
少しでも受かる確率を上げるためにとるべき対策
原因がわかると、とるべき対策方法が見えてきます。
順番に説明していきます。
課題をこなす量を増やす
これはスポーツや筋トレと一緒です。
練習量を怠ると、サボった分だけ結果は出ません。一方で、めちゃくちゃ練習したからといって大会で優勝したりするわけでもありません。
あなたが頑張っている以上に、周りの受験生は頑張って製図勉強をしています。
ただ、
- 仕事終わりで疲れてようが、毎日作図・エスキスをする
- 製図の指導講師などからのフィードバックをたくさんもらう
- 自分の勉強ノートを作って常に見直し復習する
- ちょっとしたことでも常に新しいことに挑戦する
これを約2.5ヶ月間継続している人はかなり限られます。
頭で考えるだけじゃなくて手も動かしましょう。毎日継続して身体に染み込ませることで、試験本番までには無意識的に手が動くようになるはずです。
体験不足は設計資料、物件訪問で補う
あなたが体験不足を痛感しているなら、以下の方法がおすすめです。
- 建築設計資料集成を読む
- モデルになりそうな物件を見学する
- 設計の経験がある人からヒアリングする
今は社会情勢的に物件見学は厳しいため、建築設計資料集成を読むか、ヒアリングするのが現実的です。
もちろん、見学可能な場合は見学するのが一番おすすめ。見学する際は事前予約制のところも多いので、あらかじめ確認しておきましょう。
最近はTwitterのタイムラインからも、業界関係者による有益な情報が流れてくることがあるので、製図勉強の合間にチェックしてみるのもおすすめです。
メンタルトレーニングをする
これをやっている人はあまりいない気がしますが、めちゃくちゃ大事です。
おすすめのメンタルトレーニングは以下のとおり。
- 毎日決まった時間(朝起きてひと段落ついた時とか)に瞑想する
- ポジティブワードをノートに書く、聴きまくる
- 筋トレ、ストレッチをする
やっていなくて結果がいまいち出せていない人は、まずは上に挙げたことを実践してみましょう。
意識的に取り組まないと、製図勉強は気分が沈みがち。どれか1つでもいいので、挑戦してみるのがおすすめです。
例えば、普段忙しくて手がつかないという人は、Voicy(ボイシー)やhimalaya(ヒマラヤ)というスマホアプリがおすすめ。
通勤移動中にイヤホンやヘッドホンで聴いて気持ちを高めていきましょう。
まとめ
製図試験になかなか受からないあなたにできることは、
- 課題をこなす量を増やす
- 体験不足を補う
- メンタルトレーニングをする
の3点です。
日々の積み重ねが大事です。しんどい、つらいと思う日もいつか報われる日が来ます。
運に任せず自分の力で合格をつかみとりましょう!
それでは、また。
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